コラム
2022-09-26
AWSのAmazon EC2とは?機能とメリットをわかりやすく解説
アマゾンウェブサービス(以下、AWS)の中でも特に利用される機会が多いAmazon EC2に関して機能やメリットなどを解説します。
Amazon EC2とは?
Amazon EC2は、Amazon Elastic Compute Cloud(以下、Amazon EC2)の略で、AWSが提供する「仮想サーバサービス」です。Amazon EC2を利用することで、従来のような物理サーバの構築や環境構築作業をすることなく、手軽に仮想サーバを用意することができます。
Amazon EC2の機能
Amazon EC2にはさまざまな機能がありますが、ここではAmazon EC2を利用する上で押さえるべき、代表的な機能を紹介します。
インスタンス
インスタンスとは、AWS上で稼働する仮想サーバのことを指し、仮想サーバを数える際の単位としても使われます。AWSでは仮想サーバのCPUやメモリなどの組み合わせがインスタンスタイプとして定義されています。必要なスペックに応じたインスタンスタイプを選択し、OS、ストレージ容量などを決定してインスタンスを作成します。また、インスタンスの負荷状況に応じて自動的にインスタンスをスケールアウト(台数増)/イン(台数減)することが可能なオートスケーリングなど、用途に合わせた柔軟な運用が可能です。
セキュリティグループ(仮想ファイアウォール)
Amazon EC2では、セキュリティグループという仮想ファイアウォール機能が備わっています。セキュリティグループによってインスタンスに入出力される通信を制御することで、セキュアな通信を実現します。
セキュアなログイン管理機能
インスタンスへのログイン情報を公開鍵暗号方式で管理できます。公開鍵暗号方式とは公開鍵と暗号鍵の二種類の鍵を使用し通信の暗号化・複合化を行う方式のことです。パスワードのみの認証よりもセキュリティが高いため、Amazonより利用が推奨されています。
Amazon EC2利用のメリット
Amazon EC2を利用することで得られるメリットを解説します。
サーバの構築や運用にかかる時間を削減
Amazon EC2の最大のメリットと言えるのが、サーバ構築にかかる時間を削減できる点です。数分でサーバを起動することができるので、物理サーバと比べ大幅な時間短縮が可能となります。
また、物理的なサーバの場合、物理サーバを含めたインフラ設備の保守・運用にあたる人的リソースも必要になりますが、Amazon EC2のような仮想サーバを利用することで、こういったインフラ設備の運用に関する負荷も削減できます。
状況に合わせたスペック変更ができる
2つ目の利点は、利用状況に合わせて、サーバのCPU、メモリ、ハードディスクの容量などのスペックを容易に変更可能な点です。繁忙期や日中夜間で利用状況に差があるときに、サーバの負担が変化する時期や時間帯に合わせてスペックを増減させることが可能です。
状況に合わせた柔軟なスペック変更により、限られた予算の中でリソースを無駄なく活用できます。
従量課金制により費用を抑制
物理サーバや定額制のホスティングサービスの場合、アクセス数やデータ量を想定し必要以上のスペックで準備することが一般的です。Amazon EC2では、クラウドサービスでよくみられる従量課金制を採用しており、繁忙期や閑散期などデータ転送量に差がある場合でも、使用した分の費用しかかかりません。ただし、予期しない急激なトラフィック増加の際には、増加した分のデータ転送量に応じて費用が発生するため注意が必要です。
さらに、Amazon EC2の場合、設備投資が発生しないことも魅力的な点です。物理サーバの場合、サーバ本体や周辺のネットワーク機器に対する設備投資が発生しますが、Amazon EC2であれば不要です。
Amazon EC2では、サーバを稼働させた分だけ費用がかかります。AWSでは無料の利用枠がありますので、自社が本当に必要なリソースがどれくらいかを見定め、費用を予想した上で正式稼働開始されることも可能です。
簡単に仮想サーバの冗長化が可能
商用環境で利用されるサーバでは、万が一の障害でシステムが停止することがないように複数のサーバ、いわゆる冗長化構成にて設計することが一般的です。
オンプレミスでサーバを冗長化する場合、サーバ本体だけでなく周辺のネットワークも冗長化する必要があるため、ネットワーク機器も冗長化を前提として調達・設計する必要があります。
Amazon EC2では、冗長化に必要なネットワークを仮想で構築できるサービスが提供されており、簡単かつ短時間でサーバの冗長化を実現できます。
最後に
本記事では、AWSの代表的サービスであるAmazon EC2について基礎的な内容を解説しました。
上述したとおり、Amazon EC2を用いれば、容易に仮想サーバの立ち上げが可能です。しかしながら、Amazon EC2だけではシステムとしては成り立たず、Amazon S3やAmazon RDSなどの他サービスの利用やAWSに接続するためのネットワーク設定などが必要となります。また、AWSをはじめクラウドサービスの強みである従量課金制を十分に活かした最適な費用シミュレーションも必要です。
このようなクラウド環境の構築に不安がある場合、AWS Partner Network(APN)セレクトコンサルティングパートナーのアイテック阪急阪神にご相談ください。また、AWSの構築や運用をお任せできるAWSマネージドサービスもご検討ください。
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