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導入事例

2022-02-21

株式会社ピーディーアール様|「ワンオペ情シス」の中堅・中小企業が知っておくべきクラウド移行と保守運用

「ワンオペ情シス」の中堅・中小企業が知っておくべきクラウド移行と保守運用「ワンオペ情シス」の中堅・中小企業が知っておくべきクラウド移行と保守運用

中堅・中小企業にありがちな「ワンオペ情シス」体制。夜間、休日もオンプレミスの基幹システムの安定稼働を維持しなければならなかった通信販売事業者の社内SEが、クラウドに移行してサーバ保守で手いっぱいの状況を脱した事例を紹介する。


中堅・中小企業で、情報システム部の人員が潤沢というケースは少ない。限られた人数のため、「保守で手いっぱい、DXなんて夢のまた夢」というのはよく聞く話だ。

本稿で取り上げる歯科医療器具や歯科材料に特化した通販会社ピーディーアールも同じ状況だった。コロナ禍の影響もありECサイトを中心に売り上げが急成長する中、クラウドで稼働しているECサイトと連携しているオンプレミスの基幹システムを止めてはならず、夜間、休日も不測の事態に備える必要があった。社内SEはサーバの保守で手いっぱいで、社内のリソースのみで24時間365日の監視を実現するには限界があった。

基幹システムもクラウドに移行すれば物理的なサーバの管理は不要になる。だが、結局自社で運用する範囲が大幅に減るわけではなく、オンプレミスとは異なる知識が必要となる。決断は容易ではない。

では、ピーディーアールはどう行動したのか。そこからは、中堅・中小企業におけるITの在り方の一端が見えてくる。


ピーディーアールは、基幹システムの安定稼働に懸念を持っていた。ピーディーアールの長谷川竜一氏(システム課 チーフ)は、基幹システムをクラウドに移行した現在は余裕が生まれ、リモートワークやBCP(事業継続計画)の立案といったサーバ保守以外の業務にも本格的に取り組めるようになったという。

ピーディーアールはコールセンターでの電話受注の他、ECサイト「P.D.R.オンラインショップ」を運営している。ECサイトはアイテック阪急阪神の「HIT-MALL」を使っている。HIT-MALLはECパッケージが基本のサービスだが、WebアプリケーションサーバやDBサーバ、ドメイン、SSL証明書などECサイトに必要なインフラ機能も含めてワンストップで任せられるサービスを提供している。

ピーディーアールの長谷川竜一氏

ピーディーアールの長谷川竜一氏

基幹システムはピーディーアールの社屋にあるサーバ室で、ECサイトはアイテック阪急阪神のクラウド基盤である「フルマネージドクラウド」で稼働していた。これらを専用線で接続している。フルマネージドクラウドには、他にも基幹システムのバックアップや他システムの開発環境などを置いていた。

リニューアル前のネットワーク構成図

基幹システムはシステムベンダーが管理しているが、リモート監視であるため電源のオン/オフや再起動など物理的な対応は長谷川氏が実施する必要があった。ハードウェアが故障した場合はハードウェアベンダーが来て交換してくれるものの、対応を待つ時間や立ち会う手間が発生していた。

「ECサイトは安定して動いているのですが、基幹システムが止まればECサイトは稼働しません。何かあれば即時対応が必要という状態で、『連絡がつかないと困るので、交通事故に遭わないでね』と言われていました」(長谷川氏)

基幹システムがオンプレミス環境にあることの問題点

基幹システムがオンプレミス環境であるためにピーディーアールが課題と感じていたのは、主に以下の3点だった。

1. 1人で24時間365日の監視は難しい

ピーディーアールの社内で稼働しているサーバは基幹システムの他、認証サーバやサブシステムなど、全部で11台あった。基幹システムの再起動だけでなく、それ以外のサーバの保守も長谷川氏が1人で担当していたため、作業量は多い。そもそも、1人で24時間365日の監視を行うことは不可能だ。

「自社で保守するとなると、なかなか24時間365日の監視はできません。当然、何かあればすぐ飛んでいかなければなりません」(長谷川氏)

2. 災害リスクへの備え

どんなに備えていても、災害のリスクは避けられない。また、一般的なオフィスビルには自家発電設備がなく、予定外の停電による業務中断が起こり得る。重要なシステムが自社内のオンプレミスサーバにあるという状態で災害が発生すると、ビジネスに与える影響は大きい。

「以前、実際に電源が落ちたことがあります。UPS(無停電電源装置)が警告を出したことで気付き、電力会社に来てもらって電源を回復しました。それからサーバを全台立ち上げ、ドキドキしながらシステムの稼働を確認し、復旧するのに半日かかりました。基幹システムの復旧までは電話で注文を受けてメモを取り、復旧後に入力し直しました」(長谷川氏)

3. OSやミドルウェアのアップデートやパッチ適用の負荷の高さ

基幹システムのアプリケーションはベンダーが管理しているが、サーバOSやミドルウェアのセキュリティアップデート、パッチは長谷川氏が適用するかどうかを判断する。基幹システム以外のサーバもあるため、どのサーバにどのバージョンまで適用したのかの管理も1人でこなしていた。

セキュリティアップデートを適用したことでアプリケーションが正常動作しなくなった場合に備えて、ロールバック(元のバージョンに戻す)の準備もしておかなければならない。手間が掛かり、負担が大きい作業だ。

「セキュリティですから、すぐに適用した方がいいのは分かっています。でも更新すると、アプリケーションが適切に動かなくなるリスクも当然出てきます。どこまで適用すべきなのか、判断が難しいし、率直に言うと悩みの種でした」(長谷川氏)

物理的なセキュリティの面でも、人の出入りがあるオフィスに重要なインフラを置いておくのは好ましくない。

「サーバ室には鍵を掛けていますが、それほど大掛かりなものではありませんでした。サーバ室に住んでいると言われるほど常駐していましたが、セキュリティとして万全だったかといえば、違いますよね」(長谷川氏)

解決策は基幹システムもクラウドに移行することだが......

上記3つの課題は、クラウド化することで解決する。しかし「クラウドはセルフサービスで利用を開始しなければならず、システムのセットアップにはいろいろなスキルが必要。コスト換算も非常に複雑で、自社にはそれを勉強している余裕はない」と諦めている担当者もいることだろう。ハードウェアの管理からは解放されるものの、OSやミドルウェアは自社で管理する必要があり、オンプレミスとは異なるスキルや知識を要する。

ピーディーアールは停電の件などもあり、2019年11月ごろにクラウド化の検討を開始した。ECサイトがアイテック阪急阪神のフルマネージドクラウドで安定稼働していたため、基幹システムも同じインフラに移行すればいいのではと、同社に声を掛けた。

「HIT-MALLを導入した際に、専用線を引くところからお世話になりました。その際、親身になって問題を解決してくれたので、今回も声を掛けました」(長谷川氏)

フルマネージドクラウドのサービスの特長は、以下の3つだ。

1. 柔軟にプランを提案

ユーザー企業の要望をヒアリングし、予算と要望に合った構成を提案する。他社クラウドと組み合わせることも可能。

2. きめ細かなサポート

営業担当だけでなくエンジニアがヒアリングの段階から参加し、要件や要望を聞いた上で設計から運用まで対応する。

3. クラウド管理の全ての業務を代行

サーバの構築、監視だけでなく、その後の設定変更、障害対応、改善提案などクラウド管理のあらゆる業務を任せることができる。

基幹システムの運用では、アプリケーションベンダーが窓口となってインフラも含めて一括で顧客企業と契約するというパターンが多い。しかし今回は、ピーディーアールとアプリケーションベンダー、ピーディーアールとアイテック阪急阪神という2つの別契約になっている。これも、「アイテック阪急阪神を非常に信頼しているから」(長谷川氏)だという。

契約が複数だと管理が煩雑になる懸念もあるが、結果的に「サービス全体を監督するピーディーアール」「アプリケーションを提供するベンダー」「インフラを提供するアイテック阪急阪神」という役割が明確な3つの目があることになり、基幹システムの異常にいち早く気付きやすいというメリットもあるという。

フルマネージドクラウドに基幹システムを移行することで、長谷川氏の悩みである3つの課題は次のように解決した。

1. アイテック阪急阪神が24時間365日監視

長谷川氏に代わりアイテック阪急阪神が常時監視をするため営業時間外の呼び出しから解放され、24時間365日監視体制を実現した。

2. データセンター専用の建物で稼働

フルマネージドクラウドは災害対策を施した堅固な建物で運営されており、電源や空調は二重化、ネットワークも冗長化されている。サーバの稼働を持続することに特化した施設となっている。

3. ソフト、物理両面でセキュリティを強化

アイテック阪急阪神が仮想サーバのOSやミドルウェアのバージョンを管理しているため、自社管理が不要になった。多段階の認証や共連れ防止などを備えたデータセンター専用の建物であるため、セキュリティを高めることができた。

クラウド化の効果と今後の展望

2021年11月にピーディーアールの基幹システムはフルマネージドクラウドへの移行が完了し、ECサイトと基幹システムは同じデータセンターで連携する構成になった。

リニューアル後のネットワーク構成図

リニューアルによって、特に次の点にメリットを感じていると長谷川氏は言う。

  • インフラが安定して稼働しているため、基幹システムも停止することなく安定稼働している
  • フルマネージドクラウドに移行したことで、初期設定を自社で実施する必要がなくなった

例えばオンプレミスで物理サーバが故障すると、入れ替えに時間がかかる。サーバを購入し、開梱してラックにマウントし、ケーブリングし、OSやミドルウェアをインストールする。ここまで完了して、ようやくアプリケーションのセットアップを開始できる。しかもコロナ禍で半導体が不足し、サーバの調達に時間がかかるケースも増えている。

フルマネージドクラウドであれば動作確認済みの仮想サーバが即座に提供されるため、アプリケーションのセットアップから取り掛かればいい。もし障害が発生したとしても短時間で復旧できる。

ピーディーアールの場合、以前は11台あったオンプレミスのサーバがリニューアル後は2台になったという。単純計算で、長谷川氏の作業量は約5分の1だ。システム課が1人増員されたことも手伝って、新たな取り組みを検討しているという。

ピーディーアールの青山隼人氏

ピーディーアールの青山隼人氏

システム課の青山隼人氏は、「保守に関する負担はかなり減ったので、新しいことに目を向けられるようになりました」と言う。長谷川氏も「真っ先にやりたいのはBCPです」と、新たな取り組みについてもアイテック阪急阪神からのさまざまなサポートや提案に期待を寄せる。

2022年2月10日 TechTarget掲載記事より

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