導入事例
2023-11-22
千人規模で月額30万円程!添付ファイル分離サービス導入事例|アイテック阪急阪神
添付ファイル付きメールの誤送信発生を機に、メールでのファイル送信時の運用ルールを厳格化したものの、その運用に限界を感じていたアイテック阪急阪神。メール誤送信防止ソリューション「safeAttach」の導入に至るまでと、導入後の効果について、IT統括本部ITエンジニアリング部ITサポート課 課長 大家康司氏、同 篠原琢也氏、および同社パートナー企業の阿河氏にインタビューしました。
課題 | |
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効果 | |
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背景
添付ファイル分離サービス導入の検討を始めた経緯をお聞かせいただけますか?
篠原氏:
社内で添付ファイル付きメールの誤送信が発生したことを受け、対策として、メールでファイルを送信すること自体を禁止しました。代わりに、当社に導入済みのファイル転送サービスを利用した次のルールを義務付けました。
ステップ1:ファイル転送サービスによるファイルの送信
- 宛先に送信者自身のメールアドレスを追加する。
- 宛先を確認してから送信する。その際、ファイル転送サービスから受信者に直接パスワードを送信する機能は使用しない。
ステップ2:ファイルが正しいことを確認
- ファイル転送サービスから実際に送られたファイルをダウンロードし、ファイルの内容に誤りがないことを確認する。
ステップ3:ファイルをダウンロードするためのパスワードを別途送信
- 送信者が、ファイル転送サービスからファイルをダウンロードするためのパスワードを記載したメールを受信者に手動で別送する。
このように厳格なルールを定めたものの、ファイルを一つ送信するだけでも、その手順は従業員にとって非常に負荷の高いものでした。その上、ルールには強制力がないため、個人の注意力に依存し、かつ、個人のルールを守る意識に委ねられているという実態がありました。これらを踏まえると、負荷の高すぎる手順ではかえってリスクがあると考えられる状況でした。
そのため、システム的な強制力があり、かつ全従業員が無理なく実施できる方法を検討する必要があると考えました。
篠原琢也氏
大家氏:
経営者もメール誤送信対策の検討は待ったなしと判断したことにより、本格的に検討を実施することになりました。
ルールを守らずにファイルをメールに添付して送信されることへのリスクを考慮し、自動的にメールと添付ファイルを分離し、受信者がファイルをダウンロードする仕組みを検討することにしました。さらに、実際に受信者へ送信される前に送信を一旦保留し、強制的に送信内容(宛先・添付ファイルなど)の誤りがないことを確認させるものであれば、従来、送信までに多数の手順を踏んで確認させていたことの負荷を下げ、かつ、全てのメールを強制的に確認させることができると考えました。
大家康司氏
比較検討
添付ファイル分離サービスの比較検討にあたって、どのような要件を挙げていましたか?
アイテック阪急阪神の要件(※一例)
- 添付ファイル付きメールを送信後、メールと添付ファイルを自動で分離し、受信者が添付ファイルをダウンロードする形式になること
- 添付ファイル付きメールを送信後、一時的に送信をサービス側で保留し、送信内容の再確認を送信者に強制する機能
- 添付ファイル付きメールの有無や宛先など、条件に合わせてサービスの機能の適用ルールを細かく設定できること
- 添付ファイルは、ダウンロード用のWebサイトから一定期間経過後、自動的に削除されること
- できる限り利用者に負担をかけないこと
阿河氏:
以上に加えて、送信後に添付するファイルの間違いや宛先の誤りに気付いた場合に備え、ダウンロード用のWebサイトにて送信者が手動で分離されたファイルを削除できることを必須の要件としました。
篠原氏:
また、URLからダウンロードする形式ではファイルを受け取れない規定が定められている取引先もあるため、例外的に添付ファイルのまま送信するといった条件を設定できる機能も必要でした。
大家氏:
インターネット検索やITリサーチ企業への問い合わせなど、さまざまな方面からソリューションを探しました。詳細な機能比較をしたサービスに絞っても7製品以上ありましたが、要件を満たしつつ予算内に収まるサービスをなかなか見つけられませんでした。そんな中、元々別製品でお取引のあったクロス・ヘッド社[*1]が提供する「safeAttach」の紹介を受けました。
阿河氏
safeAttachの検証はどのように進めましたか?
阿河氏:
まずは一部の部門のみで検証環境を試用し、極力、我々管理者側だけでなく従業員側の視点でも評価しました。要件に合うか、運用に支障がないか、従業員の負担は大きくないかなどを確認しました。製品やサービスの利用検証時はいつも、社内の問い合わせ対応など他の日常業務と並行して行うため、検証だけに注力しきれない難しさを感じていました。しかし、safeAttachは十分な検証期間を設けていただけたため、非常に助かりました。
safeAttachの導入の決め手を教えてください。
篠原氏:
多機能だが高額、もしくは安くても要件を満たさないサービスが多い中、safeAttachは当社の求める機能要件を満たし、例外処理にも柔軟に対応でき、かつ当社にとって適正な価格であると判断できた点です。
大家氏:
コストは大きいですね。当社は従業員数が多いため、ユーザー数課金のサービスはコストが膨らみがちです。その点、safeAttachはオプションを含めても、他のサービスに比べ安価でした。
移行
2022年11月にsafeAttachの導入を全従業員に案内されたということですが、移行はスムーズでしたか?
篠原氏:
各従業員は、自身のPCのメールソフトの設定において、送信先サーバをsafeAttachサービスに変更する作業が必要でした。当社の社内ポータルに設定変更手順を掲載し、移行期間を2か月と長めに設定することにより、大きな混乱もなく移行できました。また、導入検討段階にファイルをダウンロードURL化せずそのまま送信するなどの条件の設定が必要であることも把握していたため、これらも移行期間内に条件設定できるよう準備しました。全員が移行を終えた後は、どうしてもsafeAttachを経由したメール送信ができないシステムを除き、safeAttachを経由しないメール送信をファイアウォールでブロックすることで、safeAttach経由での送信を強制しました。
safeAttachはさまざまな機能がありますが、現在はどの機能をご利用中ですか?
阿河氏:
ファイルの標準的な送信パターンにおいては、次の機能を利用しています。
保留機能 | メールにファイルが添付されている場合のみ送信を一時保留し、送信者に内容確認を強制させる機能。 |
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添付ファイル分離機能 | メール本文と添付ファイルを分離し、受信者はメール本文に差し込まれたURLからファイルをダウンロードする機能。 |
パスワード別送機能 | ファイルのダウンロード用のパスワードを自動でランダムに生成し、パスワードを別送する機能。セキュリティ強化のため、パスワードが別サーバから送信されるオプション機能も利用。 |
また、例外的な条件を適用する場合には、必要に応じて次の機能も利用しています。
ZIP暗号化機能 | URLからファイルをダウンロードすることを禁止されている取引先に対してメールでファイルを送信する場合、添付ファイルを自動でZIP暗号化する機能を利用。 |
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第三者承認機能 | 添付ファイルとして送信する必要がある場合、部分的に第三者承認の機能を利用。 |
篠原氏:
一時保留機能については、添付ファイル付きメールの送信後、safeAttachからURLの案内が届く宛先の確認画面で「配送する」ボタンをクリックしなければメールは送信されない仕様になっています。この時点で誤りに気が付いた場合、「今すぐ破棄」ボタンをクリックしてメールの送信を取りやめることができます。また、当社は、送信から1時間以内にどちらの処理も行わなかった場合、自動で破棄するように設定しています。
保留後の確認画面
篠原氏:
送信した後に、宛先間違いや添付ファイルの間違いに気付くケースもありますが、safeAttachなら、メールの送信後でもアップロードされたファイルの内容の確認やファイルの削除が可能なため、二重の誤送信の防壁となっています。送信した相手がすでにダウンロード済みかを確認できる点も良いですね。
「配送する」ボタンクリック後の画面
篠原氏:
基本的にはこれらの機能を活用していますが、「ファイルをメールに添付されたままの状態で送信したい」「特定の取引先専用の固定のパスワードを設定したい」「第三者承認後にメールを送信するフローが必要」といった、さまざまな例外の要望を受けることもあります。こういった要望にも柔軟に対応できるサービスは、safeAttach以外にはなかなかありませんでした。
導入効果
導入からもうすぐ1年近く経ちますね。どのような効果を実感されていますか?運用の負荷はいかがでしょうか?
阿河氏:
操作がシンプルで難しくなく、負荷が少ないため、従業員からは満足の声も届いています。safeAttachの導入後、メールによるファイルの誤送信事故も発生していません。クラウドサービスのため運用の手間もほとんど無く、導入にあたって従業員向けのマニュアルを作成したこともあり、利用方法に対する問い合わせは少なく済んでいます。
篠原氏:
safeAttachの利用を続ける中で、運用を担当する私たちで随時対応する必要があるのは、取引先に応じた例外処理の設定くらいです。例外処理の条件を思案する際、具体的な設定方法をベンダー[*2]のサポートに相談することもあります。ベンダーのサポートはレスポンスが非常に早く、必要であればオンラインで打ち合わせをしていただいています。細かな条件の説明などは、メールでのやり取りだけでは伝えきれないことも多くあるため、大変助かっています。
なお、このような例外条件の設定をはじめとするsafeAttachの設定変更をベンダーに依頼することができるオプションサービスもありますので、自社で「うまく設定する自信がない」「設定にリソースを割けない」といった事情がある場合も安心ですね。
最後に、これから添付ファイル分離サービスの導入を検討するという企業に向けて、アドバイスをお願いします。
篠原氏:
カタログベースではなく、できる限り打合せを設けて自社の要件に合うかを確認しながら比較検討することをおすすめします。また、検証環境を借り、管理者と従業員の両方の視点で使ってみることも重要です。実際、今回比較検討したサービスの中には、検証した結果、要件に応えられないことが分かって導入を諦めたサービスもありました。
個人の注意力やルールを守る意識に依存したメール誤送信対策から脱するために、添付ファイル分離サービスは効果的だと感じています。そして特に、従業員数が多い企業や、専任のサーバ・システム運用者を立てられない企業は、safeAttachのメリットを感じられると思います。
会社概要・導入サービス
会社名 | アイテック阪急阪神株式会社 |
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URL | https://itec.hankyu-hanshin.co.jp/ |
業種 | 情報サービス業 |
従業員数 | 1,219名(2023年3月末現在) |
本社所在地 | 大阪府 |
導入サービス | メール誤送信防止ソリューション「safeAttach」 |
インタビューしたIT統括本部をはじめ、アイテック阪急阪神はキャリア採用を行っています!私たちと一緒に働きませんか?詳細はキャリア採用情報をご覧ください。
関連資料をダウンロード
メール誤送信対策ソリューション比較表サンプル
添付ファイル分離サービスの導入を検討されている方のための比較表のサンプル資料です。「safeAttach」の欄はあらかじめ情報が記載されています。
注釈・補足
- [*1][*2]:safeAttachはクロス・ヘッド株式会社が提供するクラウドサービスです。弊社、アイテック阪急阪神は販売代理店です。
- 本ページの掲載内容は取材当時のものです。