コラム
2023-10-31
Amazon CloudFrontとは?よく使われるAWSサービスの基本解説
アマゾンウェブサービス(以下、AWS)では数多くのサービスがリリースされていますが、今回はコンテンツ配信ネットワークサービスであるAmazon CloudFront(以下、CloudFront)について、コンテンツ配信の仕組みやメリットを初心者向けに解説します。
CloudFrontとは
CloudFrontは、静的および動画やアプリケーションをはじめとする動的なコンテンツを安全に高速な転送速度で配信できるコンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスです。CDNはContents Delivery Networkの略で、オリジンサーバのコンテンツをキャッシュし、オリジンサーバに代わってクライアントに迅速にコンテンツを配信する仕組みです。オリジンサーバは画像や動画などのオリジナルのコンテンツが存在するサーバです。AWSであれば、Amazon EC2やAmazon S3などをオリジンサーバとして使用することができます。
CloudFrontは、50か国100都市以上の550箇所以上(2023年9月時点)に設置されたエッジロケーション(コンテンツ配信のために世界中に分散された拠点)を経由し、世界のあらゆる場所へ低レイテンシーでコンテンツを配信することができます。ここで言う低レイテンシーとは、クライアントがリクエストを送信してからコンテンツが配信されるまでに生じる通信の遅延時間が非常に短い状態です。
CloudFrontによるコンテンツ配信の仕組み
【図】CloudFrontによるコンテンツ配信の仕組み
CloudFrontを利用すると、以下の流れでクライアントにコンテンツが配信されます。
- クライアントがWebサイトにアクセスすると、DNSサーバがIPアドレスをCloudFrontに問い合わせます。(図①~②)
- CloudFrontは位置情報DBからクライアントの位置情報において最適なエッジロケーションのIPアドレスを応答します。(図③~④)
- クライアントがエッジロケーションにアクセスします。(図⑤)
- エッジロケーションで要求されたコンテンツのキャッシュファイルを検索します。キャッシュがない場合、オリジンサーバからコンテンツを取得します。(図⑥)
- 取得したコンテンツをクライアントに配信します。(図⑦)
- エッジロケーションにキャッシュがなかったコンテンツの場合、次回のためにキャッシュを保存します。(図⑧)
CloudFrontの利用メリット
サーバの負荷を軽減し、可用性を向上
オリジンサーバの代理として、キャッシュを保存したエッジロケーションからコンテンツを配信できます。CloudFront へトラフィックが分散されることにより、オリジンサーバの負荷低減と可用性向上につながります。
低レイテンシーで配信可能
通常、国内にあるサーバから海外へコンテンツを配信する場合、レイテンシーが高くなります。しかし、CloudFrontを利用して世界各地に設置されたエッジロケーションから配信することで、レイテンシーを低減させることができます。
セキュリティの強化
CloudFrontはオリジンサーバのフロントドアとして機能し、DDoSなどの外部攻撃からオリジンサーバを保護します。また、CloudFrontへの通信をHTTPS必須に設定することで、エンドユーザのコンテンツへのアクセスやCloudFrontとオリジンサーバとの通信を暗号化することも可能です。
まとめ
本記事では、AWSのCDNサービスであるCloudFrontについて、簡単に解説しました。CloudFrontは、一般的なCDNサービスと同様に、キャンペーンサイトなどの大量のアクセスが予測されるWebサイトや、動画など大容量の動的コンテンツを配信するWebサイト、海外からのアクセスがあるWebサイトなどで活用されることが多いサービスです。先で挙げたようなWebサイトをAWS上から提供される場合は、CloudFrontの利用を検討すると良いでしょう。
CloudFrontの利用に関して不安やご相談がある場合、AWS Partner Network(APN)セレクトコンサルティングパートナーのアイテック阪急阪神にご相談ください。また、AWSの構築や運用をお任せできるAWSマネージドサービスもご検討ください。
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