2020/03/16
ICTの世界には何となくわからない言葉が多くあるものです。その代表的なものの1つに「マネージドサービス」があります。これに「フルマネージドサービス」が加わると、いよいよわからなくなります。
そこでここでは「マネージドサービス」と「フルマネージドサービス」の違いとそれぞれのメリット・デメリットを解説しましょう。
「マネージド」とは「管理する」という意味。「マネージドサービス」でお客様に代わって「サーバを管理代行」するアウトソーシングサービスになります。
ずいぶん早くからあったサービスですが、一般に見られるようになったのは2000年代になってからのことになります。これが2010年代にクラウドが潮流となって、広く提供されるようになりました。
サーバの管理には、ハードウェアの入手・設置・設定、OSやミドルウェアなどの導入、運用中の死活監視、障害や故障への対応、各種設定変更など、多くの業務があります。その範囲もハードウェアのみならず、データセンター、ネットワークやセキュリティ機器、ストレージにも及びます。突発的な故障やリソース追加で、コストや人員の負荷も高まります。
これらの一部をアウトソーシングできるのが「マネージドサービス」です。「マネージドサービス」により、人員を最小限にし、一定のコストでサーバ運用管理が可能となります。2000年代、選択と集中が叫ばれたことから、情報システム部門は業務見直しが迫られ、その一環で管理業務の一部を外部プロバイダーに依頼するようになりました。
それでは、「マネージドサービス」にはどのようなメリットがあるのでしょうか。併せてデメリットも紹介しましょう。
ご紹介したように、「マネージドサービス」はコスト的な負担を一定に抑えることができます。外部と契約することで、障害や故障が発生しても、関連する経費が突出することがありません。一定の金額となり、予算計画も立案しやすくなります。
運用管理にかかっていた情報システム部門の担当者をより生産的な業務に配置することができるようになります。契約によっては、夜間・休日の緊急出動も大幅に抑えられるため、少数精鋭の情報システム部門とすることができます。
障害の復旧には専門の技術と経験が求められ、その人材育成は社内では困難です。さらに、障害の予兆検知が可能になると、障害自体も削減できますが、これにも技術と経験が必要です。このような知見を外部に借りることができます。
提供するプロバイダーによって、サービスの範囲が異なるため、希望するサービスが得られない場合もあります。さらに、プロバイダーに依頼する業務との線引きがあいまいなものになると、双方共に遂行することが困難になります。
「マネージドサービス」は一部の代行であって、全部まかせではありません。残りの運用管理は自社内でに行うことになりますが、これ以外の技術が社内に残りません。
「マネージドサービス」は大変便利ですが、「一部」に限られるデメリットがあります。これを解決するため提供されているのが「フルマネージドサービス」です。
「フルマネージドサービス」は、ほぼすべてのサーバ管理をお客様に代わって代行します。「マネージドサービス」ではオプションとして別請求になるようなセキュリティ監視や24時間365日の障害対応も最初からサービスとして提供されます。
例えば、サーバ障害対応では、「マネージドサービス」の場合、対応マニュアルに沿っての対応が限界で、それ以上の調査・復旧はお客様負担となります。これに対し、「フルマネージドサービス」ではプロバイダーの専任エンジニアが対応し、再発防止のための設定改善やパフォーマンスチューニングの提案まで実施します。
「マネージドサービス」と比較して、「フルマネージドサービス」のメリットとデメリットを紹介しましょう。
自社とプロバイダーとの間で、業務の線引きに迷うことはありません。サーバ管理に関することを、すべてアウトソーシングできるため、アプリケーション開発・管理や、Webサイト運営に専念することができます。
すべてをアウトソーシングできることから、お客様側で蓄積するべき知識や技術の必要がありません。信頼できるプロバイダーを見つけだし、作業内容について事前に綿密に取り決め、契約することになります。
アウトソーシング範囲が広がることから、それだけ「マネージドサービス」と比較するとコストは割高になります。社内で管理担当者をアサインするコストと比較してどうか?を判断基準にするとよいでしょう。
「フルマネージドサービス」と謳っていても、プロバイダーによってサービス内容に違いのあることがあります。確実に比較し、自社のニーズに則しているか確認しましょう。
「マネージドサービス」と「フルマネージドサービス」の違いをさらに細かく知りたい場合は、下記の資料を参考にしてください。自社にとってどのサービスが最適なのかを判断するための判断材料になると思います。